太陽光パネルは強風で飛ばされる可能性があるのか?

A. 緻密な計算と信頼できるメーカーとの調整により、そもそも飛ばない設計をしています。

要約

太陽光パネルが風で飛ばないための設計とは?
建物の高さと地域の基準風速を考慮します。恒電社では、設置場所の建物の高さと、地域ごとに国が定める基準風速を元に、適切な固定方法と固定強度を設計しています。高さが増すごとに固定点数を増やし、必要に応じて片側3点固定などを採用して安全性を確保します。また、構造計算書や強度計算書を金具メーカーから取得し、信頼性の高い施工を実現しています。

恒電社の特徴は?
丁寧な計算に加え、メーカー・お客様との入念な確認をおこないます恒電社は、太陽光パネル設置において、風や積雪荷重などを考慮した詳細な計算を徹底しています。他社と比べても信頼性の高い金具メーカーと提携し、強度計算書や製品保証を提供。安価な金具を避け、安全性を重視した施工を行うことが強みです。また、施工中の部材の飛散防止にも注力しています。

もし太陽光パネルが飛んでしまったら?
ご心配なお客様には、損害対応のための保険加入を推奨します万が一太陽光パネルが飛散した場合には、施設賠償責任保険で対応することをご案内しています。施工不良の可能性が議論される際には、強度計算書や施工基準を基に施工の正当性を担保。さらに、太陽光パネル同士をワイヤーで繋ぐ対策も取ることで、最悪のケースに備えている場合もあります。

解説者

蛎崎 泰祐
施工管理職

蛎崎 泰祐

新卒からSIerとしてIT業界を経験する。2018年に恒電社へ参画してからは事業部を横断して活躍し、エネルギーマネジメント事業部の立ち上げに貢献。現在は施工管理職としてシステム設計から、工程・安全・現場管理を一貫して担当している。徹底したリスク管理と持ち前の柔らかい人柄で、社内外を繋げ動かすハブとして活躍中。

インタビュアー

原澤陽
合同会社HARAFUJI

原澤陽

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

風で太陽光パネルは飛んでしまわないのか?

━━━恒電社の場合、風で太陽光パネルが飛ばないよう、どのような設計をしてますか??

設計の際には、主に「①建物の高さ」と「②基準風速」という2つの要素をもとに、固定方法と固定強度を決定しています。

━━━①建物の高さによって、具体的に何が変わりますか?

たとえば、太陽光パネルを固定する金具の取り付け点数が変わります。

通常であれば片辺2点固定のところを、建物が高くなるとより風の影響を受けやすくなるため、片辺3点で固定するといったような対応になります。金具の数が増えても屋根にかかる荷重自体は大きく変わらないため、構造的な負担は少ないです。

デメリットとしては、金具の追加分のコストが発生する程度です。

━━━②基準風速のデータは、どこのデータを活用されていますか?

国土交通省が出している市区町村別の基準風速です。

参照:〔平成12年5月31日建設省告示第1454号〕Eの数値を算出する方法並びにV0及び風力係数の数値を定める件

恒電社では、この基準風速データをもとに、太陽光パネル設置用の架台メーカーや金具メーカーに強度計算を依頼しています。

例えば埼玉県蓮田市の場合、基準風速は32m/sと定められています。そこに建物の高さや屋根の形状・傾斜を加味した上で、メーカーから「この条件では2点固定が必要です」「こちらの条件では3点固定が必要です」といった具体的な強度指示(構造/強度計算書)をもらい、それに従って施工を進めています。

━━━強風の地域、また、台風の多い地域などで施工方法等は変わるのでしょうか?

金具の固定点数を増やすという基本的な考え方自体は、あまり変わりません。ただ最近特に注意しているのは、むしろ施工完了後よりも「施工中」の安全対策です。

最近では記録的な突風など、これまでの経験値を超えるような強風が増えており、「さすがにこの重さなら飛ばないだろう」と思えるものまで飛ばされてしまうことがあります。

そのため、施工中は資材の落下や飛散が絶対に起きないよう、動く可能性のある資材はすべて固定し、現場を離れる際には必ず徹底的な安全確認を行うことを徹底しています。

━━━金具の固定部分を増やす以外に、風への対策はありませんか?

強いて言えば、「太陽光パネル同士を全部ワイヤーで繋いだこと」がありました。

太陽光パネルはボルトで固定するために、フレームに穴が空いています。そこにワイヤーを通してパネル同士を繋ぎます。これは高速道路などで活用されている、ワイヤーで物が下に落下してもいいように全部ワイヤーに繋げる技法に似た手法です。

ただし、基本的には金具で固定していれば、太陽光パネルは飛びませんのでご安心ください。

━━━本当に万が一ですが、それでも太陽光パネルが飛ばされてしまった場合、どのような問題が考えられますか?

その場合、最も懸念されるのはパネルが飛散して人にぶつかり怪我を負わせたり、第三者の建物や車などを損傷させたりするリスクです。このような事態が発生した場合、基本的にはお客様が加入されている保険で対応いただくことになります。

ただし、改めて強調させていただきますが、恒電社が行う設計・施工方法では、太陽光パネルが飛散することはまずありません。

設計時には、金具の固定数を増減させることに加え、次の要素を十分に考慮しています:

  • パネルの下から上に押し上げる風圧
  • パネルを上から押さえつける風圧
  • 降雪時の積雪荷重(パネルにかかる雪の重さ)

これらすべての要素を緻密に計算した上で、構造計算書に基づく適切な固定方法を選定しています。さらに、金具メーカーからも強度計算書が提供され、製品の保証も明確にされています。

こうした徹底した設計プロセスと、信頼できる取引先・施工体制によって、恒電社ではそもそも太陽光パネルが飛散しないよう最大限の対策をとっています。

この記事を書いた人

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2025年に第二種電気工事士資格を取得。

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