太陽光パネルの反射光が近隣住民に迷惑をかけることはあるのか?

A. 太陽光パネルからの反射光は、設置角度や周辺環境によって異なります。必要に応じてシミュレーションや関係者への説明を行うことで、トラブルはほぼ回避可能です。

要約

角度と北向き屋根への注意:
太陽光パネルの傾斜は30度前後が一般的で、関東地域では太陽が最も高い位置でも約80度のため、よほどの急傾斜(50度以上)にしない限り低い建物へ反射しにくい。一方、北向きに設置すると光が下方へ散りやすく、近隣とのトラブルが増す恐れがあるため、原則として北向きの設置を控える方針が推奨される。

周囲の高層建物と事前説明:
屋根より高い建物が隣接する場合は、西日の時間帯などに反射光が届きやすくなるため、専用ソフトやシミュレーションを用いて発生時刻や影響範囲を確認することが重要。那覇空港の管制塔でも、事前の検証と周囲への説明を経て許可を得た実例があり、こうした慎重な対応がトラブル回避の鍵となる。

解説者

蛎崎 泰祐
施工管理職

蛎崎 泰祐

新卒からSIerとしてIT業界を経験する。2018年に恒電社へ参画してからは事業部を横断して活躍し、エネルギーマネジメント事業部の立ち上げに貢献。現在は施工管理職としてシステム設計から、工程・安全・現場管理を一貫して担当している。徹底したリスク管理と持ち前の柔らかい人柄で、社内外を繋げ動かすハブとして活躍中。

インタビュアー

原澤陽
合同会社HARAFUJI

原澤陽

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

太陽光パネルの設置による、周囲への反射の影響

━━━太陽光パネルを設置すると周囲に反射しますか?

太陽光パネルの設置角度や設置場所によって、反射の仕方が変わります。建物の屋根上に設置する場合、太陽が東から昇り、南を経て西に沈むという基本的な動きを踏まえ、次のような点を考慮しています。

  • 設置する屋根よりも高い建物が東・南・西側にあるか:反射光がどの時間帯にどの方向へ向かうかをシミュレーションし、必要であれば事前に調整や対策を行います。
  • 太陽の高度:関東地域では、太陽が最も高いときで約80度。通常、パネルは30度程度の傾斜で設置するため、(パネルを50度以上の急傾斜で設置しない限りは)低い建物に光が当たる可能性は低いです。
  • 北勾配の屋根への設置リスク:北向きに設置した場合、太陽との位置関係で反射光が建物の下側へ行きやすいため、トラブルに発展するリスクが高まります。当社では北向きの屋根には原則としてパネルを設置しない方針を徹底しています。

━━━実際に、屋根よりも高い建物が近くにあるケースはありましたか?

ありました。東側に大きなビルがあるケースでは、西日の時間帯にそのビルに反射光が当たることがあります。

その場合、最終的にはお客様と相談の上、反射光が当たる建物の関係者に対して、「何月の何時から何時まで、どのような反射が生じる可能性があるか」を事前に説明し、理解を得るようにしています。実際に、那覇空港のMRO JAPAN様の案件では、管制塔へ反射光が届く時間帯が確認されたため、管制側へ説明し、正式に許可を得ました。

ただし、そもそも工場周辺に高層ビルが建っているケース自体があまり多くないため、反射が原因となるトラブルは非常に稀です。

まとめると、設置場所よりも高い建物がない場合は通常通りの設置で問題なく、ある場合は設計段階で配慮し、必要に応じて相手方に説明を行うという対応になります。

この記事を書いた人

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2025年に第二種電気工事士資格を取得。

太陽光発電システム導入前に
知っておきたいポイント集

前提知識

Coming Soon

恒電社(EPC事業者)

Coming Soon

自家消費型太陽光発電設備のことなら
お気軽にご相談ください。

お電話でのお問い合わせ

048-728-4283