太陽光発電システムによる電磁波や騒音は、周辺環境に影響を及ぼす可能性があるのか?
A. 太陽光発電システムの電磁波や騒音は、家電製品レベルであり、周辺環境に大きな影響を及ぼす可能性は非常に低いとされています。
要約
電磁波の実情:
太陽光発電システムで発生する電磁波は、家電製品やオフィス機器と同等かそれ以下の低周波帯域で、Wi-Fi(2.4GHz)と比べてはるかに周波数が低い。人体に有害とされる科学的根拠はなく、「工業用だから強力」という誤解が生じやすいものの、実際には過度に心配する必要はない。
騒音と施工時の配慮:
パネル自体は無音で、パワーコンディショナー(PCS)の稼働音も微弱だが、心理的要因で小さな音にも敏感になるケースはある。工事時にはインパクトドライバーの音などが出るため、夜間を避けたり作業時間帯を調整するなどの配慮を行い、周囲への影響を最小限に抑えている。
解説者

インタビュアー

太陽光発電システムの電磁波や騒音が周辺環境に与える影響
━━━太陽光発電システムにはパワーコンディショナ(PCS)などの電気設備がありますが、電磁波や騒音で周辺環境に影響はないのでしょうか?
結論から申し上げると、太陽光発電システムが発する電磁波や騒音は、家電製品やオフィス機器と同程度、もしくはそれ以下とされています。具体的には、以下のようなイメージです。
- 電磁波:家庭用のWi-Fi機器や一般的な家電が出すレベルと同等か、さらに低い周波数。
- 騒音:パネルは無音。パワーコンディショナーの動作音はごくわずかであり、日常生活で気になるレベルではない。
したがって、日常生活や周辺環境に大きな影響を及ぼすことは基本的にありません。設置場所や製品の種類にもよりますが、多くの事例で電磁波や騒音に関するクレームは見受けられないのが現状です。さらに気になる方は、防音性の高い設置場所を選ぶなどの対策を講じることもできます。
━━━工業用の機器であるがゆえに、家庭用よりも強い電磁波が出ていると誤解されることもあるのではないでしょうか?
弊社にそのような声が届いたことはありませんが、実際にそういった誤解が生まれる可能性はゼロではないと思います。
騒音や電磁波に関しては、実際の大きさよりも「心理的な印象」によって不快に感じられるケースがあるのかもしれません。たとえば、「気になり始めると、ますます気になる」といった心理的な要因による反応も可能性としてありえます。
完全に音・電磁波がゼロというわけではありませんが、科学的に見ても、人体に有害なレベルではないという点は明確です。
発電された直流電気を交流に変換する「インバータ(パワーコンディショナ)」が主な電磁波の発生源ですが、ここで発生する電磁波は、東日本では50Hz、西日本では60Hzという「低周波」帯域です。
参考までに、家庭用Wi-Fiは2.4GHzという高周波帯で動作しており、周波数の桁がまったく異なることからも、太陽光設備から出る電磁波がいかに低いかが分かります。
もちろん、周波数が低いから人体に影響がない(=高いから影響がある)という単純なものではなく、周波数×電磁波の強さで評価されるものではありますが、太陽光発電設備で発生する電磁波は、一般的には人体への影響はほぼないと考えられています。
━━━施工に伴う騒音や振動は、どのように周辺住民へ配慮されていますか?
太陽光発電だから特別に大きな音が出るということはなく、一般的な建築工事と同様に、工具の作動音や振動が一時的に発生します。
たとえば、屋根に金具やパネルを固定する際に使用するインパクトドライバーでは、ある程度大きな音が発生します。そのため、「業務のピーク時間帯を避けてほしい」といったご要望があれば、事前に調整して作業時間を変更するなど、柔軟に対応しています。
また、夜間に作業を行うことは原則としてありません。工事前には、近隣の方への事前説明や挨拶を行い、理解とご協力を得たうえで工事を進めるようにしています。
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