太陽光発電設備は、発注から設置完了までにどの程度の期間を要するのか?

A. 一般的に3〜6か月程度が目安です。屋根や建物の規模、電力会社との契約手続き状況などによって変動します。

要約

導入までの期間:
自家消費型太陽光発電の導入に要する期間は、一般的に3〜6か月程度が目安とされる。ただし、工場や施設の規模、屋根や建物の状態、電力会社の契約手続き状況といった要素によっては前後する。現地調査や設計、見積り、資材手配を一括管理し、徹底したスケジュール調整を行うことで、導入を円滑に進めることが可能。

「設置完了」の定義:
工事完了後すぐに発電開始できるわけではない。2023年3月20日の電気事業法改正によって、10kW以上の太陽光発電設備も「使用前自己確認」の対象範囲に含まれ、安全確認と届け出が必須となった。そのため、工事が無事終了しても、稼働までには追加で数か月の手続き期間を見込む必要がある場合があるので、十分な余裕を持った計画が欠かせない。

設置の目安:
発注から材料調達に長いもので約4か月、着工から1〜1.5か月程度で工事が完了し、合計6か月を基本的な目安として回答している。ただし、地震などの予期せぬ要因や資材の供給遅延により、スケジュールが前後する可能性もあるため要注意。さらに、電力会社側の手続き進捗状況が計画を左右する場合もあるため、導入時には余裕ある計画とリスク管理が必要となる。

解説者

蛎崎 泰祐
施工管理職

蛎崎 泰祐

新卒からSIerとしてIT業界を経験する。2018年に恒電社へ参画してからは事業部を横断して活躍し、エネルギーマネジメント事業部の立ち上げに貢献。現在は施工管理職としてシステム設計から、工程・安全・現場管理を一貫して担当している。徹底したリスク管理と持ち前の柔らかい人柄で、社内外を繋げ動かすハブとして活躍中。

インタビュアー

原澤陽
合同会社HARAFUJI

原澤陽

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

発注から設置完了までに要する期間

———自家消費型太陽光発電システムを導入する際、発注してから設置が完了するまでの一般的な期間はどれくらいですか?

目安としては、3〜6か月程度が一般的です。ただし、工場や施設の規模、屋根や建物の状態、電力会社や行政の手続き状況によっては、さらに期間が前後します。

例えば、発電システムの設置に必要な許認可申請や電力会社との契約手続きに時間を要するケースもあります。恒電社では、現地調査、設計、見積り、資材調達から施工まで一括管理することで、徹底したスケジュール管理とスムーズな導入に努めています。

また施工規模や施設の条件によっては、もっと短い期間で済む場合もありますし、一方半年以上かかることもあります。導入を検討する際には、余裕を持って計画を立てることが大切です。

━━━そもそも何をもって「設置工事完了」と定義されるでしょうか?  

何をもって「設置工事完了」とするかは、解釈によって変わりますね。  

たとえば、工事自体は完了しても、太陽光発電をすぐに稼働できるわけではありません。2023年3月20日の電気事業法改正により「使用前自己確認」の対象となる太陽光発電設備が拡大しました。改正前は500kW以上が対象だったのが、改正後は10kW以上500kW未満も届出の対象となりましたので、 使用前自己確認が完了したら本格稼働と定義づけすることもできます。

使用前自己確認制度
太陽光発電所設備を稼働させる前に行う安全確認作業の1つ。 経済産業省が定めた一定規模の発電所新設の場合や、既設発電所の設備を変更する場合に実施しなければならず、結果を経済産業省に届ける必要がある。
参照:電気事業法施行規則等の一部を改正する省令(令和七年経済産業省令第三号)

そのため、設置工事が完了してから3〜6か月程度で一連の手続きが収まる場合でも、お客様が太陽光発電を稼働させ、実際にその恩恵を受け始めるまでには、さらに数か月かかる可能性があります。  

━━━ちなみに、お客様から「発注してから実際に設置完了までどれくらいかかるか」聞かれた場合、どのように回答されていますか?

ケースバイケースではありますが、特に前提条件がなく聞かれた場合は「6か月」と答えます。

この6か月というのは、発注から調達に時間がかかる材料が現在約4か月程度必要で、それが揃ってから着工し、工事自体は1〜1.5か月ほどで完了するためです。合計で6か月あれば、基本的には納められるというのが回答になります。

ただし、もちろんのこと、調達が前倒しになる場合もあれば、後ろ倒しになる場合もありますし、着工時期も確定的ではありません。たとえば、大きな地震などが発生すればスケジュールがずれることもあり、そこは不確定な要素として前提に入れておくべきだと考えています。

この記事を書いた人

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2025年に第二種電気工事士資格を取得。

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