太陽光発電設備の施工期間中に、工場や事業所の通常業務に支障が出ることはあるのか?

A. 太陽光発電設備の工事では短時間の停電やクレーン作業による通路制限などが発生する可能性があります。事前の打ち合わせや作業計画の分割により通常業務への影響は最小限に抑えられます。

要約

  • 施工による業務停止は最小限に抑えられる
     太陽光パネル設置工事中、大規模な停電や騒音が長時間続くケースは少なく、屋根上での作業が中心のため施設稼働への直接的な影響は限定的です。ただし、電力系統にケーブルを接続する際には活線状態を避けるため停電が必須で、作業時間や日数を分割して実施する場合もあります。
  • 停電・クレーン作業の日程は柔軟に調整可能
     停電中に温度管理が必要な冷凍倉庫や24時間稼働の物流倉庫など、施設特性に合わせて複数回に分ける方法や日数を増やす対策が取られています。また、クレーン作業で通路や駐車場が使えなくなる日が発生するため、事前打ち合わせによるスケジュール共有や作業時間の短縮・分散化が重要とされています。

解説者

蛎崎 泰祐
施工管理職

蛎崎 泰祐

新卒からSIerとしてIT業界を経験する。2018年に恒電社へ参画してからは事業部を横断して活躍し、エネルギーマネジメント事業部の立ち上げに貢献。現在は施工管理職としてシステム設計から、工程・安全・現場管理を一貫して担当している。徹底したリスク管理と持ち前の柔らかい人柄で、社内外を繋げ動かすハブとして活躍中。

インタビュアー

原澤陽
合同会社HARAFUJI

原澤陽

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

施工期間中に工場や事業所の通常業務が止まることはあるのか?

———工事中は大きな騒音や停電などが生じるのではと心配しています。通常業務に支障はありませんか?

一般的には、大きな騒音や長期間の停電が発生するケースは少ないです。以下の点がポイントとなります。

  • 屋根へのアクセス:太陽光パネルの設置は基本的に屋根上で行うため、建物内の稼働エリアに大きな影響を与えることはあまりありません。
  • 電気系統の切り替え作業:電力系統の工事が必要な際には、短時間の停電が発生する場合がありますが、事前にスケジュールを調整し、業務に最小限の影響で済むように計画を立てます。

恒電社では、EPC事業者として施工スケジュールや作業内容を事前に丁寧に共有し、お客様の通常業務と電気工事を両立できるよう最大限の配慮を行っていますので、ご安心いただければと思います。

吉田俊秀 様
江信特殊硝子株式会社 取締役

吉田俊秀 様

私は都内の本社勤務が多く、幸手工場には頻繁に行けないのですが、蛎崎さんから工程表と共に「来月のこの日に機材の搬入、ラフターの使用があるため、駐車場を確保してください」といった事前連絡をいただけたことで、工場側にも余裕を持って準備を指示できました。

そのおかげで、製造ラインにも影響を与えることなく、すべてがスムーズに進行しました。 恒電社のスタッフは、ただ作業をこなすだけでなく、スケジュール管理や現場対応でも非常に丁寧でプロフェッショナルでした。おかげで、太陽光発電の導入プロジェクトが計画通りに進み、問題なく完了しました。非常に満足しています。

━━━なぜ、作業中に停電が必要なのでしょうか?

自家消費型太陽光発電では、電力会社から供給されている既存の電気系統に、太陽光発電のケーブルを接続する必要があります。

この作業を安全に行うためには、接続箇所に電気が流れていない「非活線状態(停電状態)」にすることが絶対条件です。電気が流れている「活線状態」での作業は、感電や火花による重大な事故のリスクがあるため、必ず停電してから行います。

これらの作業は主にキュービクル内で行われるため、キュービクルに立ち入る段階で電気を完全に遮断した状態にします。

━━━工事の際の停電の方法はどの工事でも共通なのでしょうか。それとも、工場の仕組みや特性によって、1日に複数回停電が必要になるケースなど、工事ごとに違いがあるのでしょうか。

基本的にはお客様が出社しておらず、業務を行っていないタイミングで、約6時間の停電を実施をします。

ただし、例えば冷凍倉庫がある場合、停電中の温度上昇を防ぐため、2時間停電した後に作業を中断し、1時間冷凍庫を稼働させて温度を下げ、再び2時間停電する「2時間停電 → 1時間稼働 → 2時間停電」といった形で複数回に分けるケースもあります。  

また、作業を2日間に分けて行うこともあります。  たとえば24時間稼働する物流倉庫の場合、トラックが24時間荷物の出し入れを行うため、1回の停電を3時間程度に制限し、日を分けて工事を進めたりもします。その場合、当社より「この3時間だけはトラックが来ないように調整してください」とお願いしています。

このようにお客様の業務内容に応じて毎回打ち合わせを行い、停電のスケジュールを調整しています。

━━━停電のスケジュールは、恒電社の方から提案しながら、お客様と一緒に決めていくイメージですか?

はい、そのような形となります。お客様の業務にできる限り影響が出ないように、事前のヒアリングを重ねた上で、最適な停電スケジュールをご提案し、最終的にお客様と協議して決定しています。

━━━お客様の通常業務に支障を来さないように、停電作業以外で何か工夫されていることや、特に意識していることはありますか?

特に意識しているのは、大型機材の搬入・設置時の動線確保とタイミング調整です。

たとえば、太陽光パネルを屋根の上に設置する際には、必ず1日は、大型のクレーン車やラフタークレーンを建物の近くに据え付けて作業を行う日が発生します。

この作業では、クレーンを設置する関係で、従業員様の駐車場の一部を一時的に使用したり、トラック搬入出の通路を塞いでしまうことがあるため、お客様の業務に影響を与えやすい工程のひとつです。

そのため、停電作業と同様に、事前にお客様としっかり打ち合わせを行い、「この日のこの時間帯にクレーン作業を予定したいのですが、ご都合いかがでしょうか?」といった形で、スケジュールと作業範囲の調整を丁寧に進めるようにしています。

新井智 様
マルキユー株式会社 顧問

新井智 様

恒電社さんは長い工事期間の中でもストレスなく施工管理をしてくださいました。業務の開始と終わりの連絡。延長もほとんどなく、安心してお任せすることができました。

あとは初日から「雰囲気」が良かったです。すでに面識のある私たちは、業者の皆様がどんな人たちか知っています。しかし、他の従業員は知りません。例えば共有で使う駐車場などでは「あの業者さんの振る舞いがちょっと…」と従業員から報告が上がってくることもあります。それが、御社の場合は一切ありませんでした。

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この記事を書いた人

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2025年に第二種電気工事士資格を取得。

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