ソーラーカーポートの導入費用は、どのような要因によって算出されるか?
A. 太陽光パネルやパワーコンディショナなどの基本装備に加え、架台の材質や構造計算の有無、設置条件によるレイアウトによって左右されます。
要約
主要費用の内訳:
ソーラーカーポートの導入コストは、太陽光パネル・パワーコンディショナ・ケーブルなどの通常設備に加え、支柱や素材(アルミかスチールかなど)によって価格が変動する架台が大きな要素となります。メーカーにて行う構造計算で風圧や積雪を確認し、基準を満たした製品のみ選定しています。
設置条件と傾斜への対応:
カーポートのパネルは傾斜をつけて設置されることが多いため、駐車スペースや車の向きに合わせたレイアウトが必要です。過去には方角の異なる複数ストリングに対応するパワーコンディショナが求められることもありましたが、現在ではマルチストリング対応製品の普及により、多方向の設置に柔軟に対応できるようになっています。
解説者

インタビュアー

ソーラーカーポートの導入費用
━━━ソーラーカーポートの導入費用というのは、どのような要素で決まるのでしょうか?
基本的には、通常の太陽光システムと同様に、太陽光パネル、パワーコンディショナ、そして電気を接続するためのケーブルが関係します。
これに加えて、ソーラーカーポート特有の要素として「カーポートの架台」が追加されます。この「架台」が、導入費用を左右する大きなポイントのひとつになります。
架台にはさまざまなタイプがあり、足の本数や材質によって違いがあります。
━━━架台の種類について、教えていただけますか?
例えば、アルミ製とスチール製(鉄製)の架台があります。
アルミ製の架台は軽量なため、施工がしやすく、価格も比較的抑えやすいのが特長です。コスト面で有利なケースが多く、現場での扱いもスムーズです。
一方、スチール製の架台は重量がある分、非常に頑丈で耐久性に優れているという利点があります。
長期間の耐候性を重視する場合や、積雪・風圧などの条件が厳しい場所では、スチール製を選ぶこともあります。
恒電社では、どの架台タイプを選ぶ場合でも、強度計算・積雪荷重・風圧・架台自体の重量に対する耐性などを含めた構造計算が実施されている、信頼性の高いメーカー製品のみを採用しています。
たとえば、お客様の敷地に設置することを想定し、基準風速や地盤調査の結果などと組み合わせて、メーカー側で「この場所には安全に設置できる」という構造計算を実施。その計算結果をもとに、建築確認申請時に提出できる正式な資料としてご用意しております。
━━━パワーコンディショナについては、ソーラーカーポートであることで仕様が変わるようなことはありますか?
基本的には変わりません。
ひと昔前であれば、ソーラーカーポートは(駐車場の配置に合わせて設計されるために)パネルの向きが一定でないことから、異なる方位に対応できるマルチストリング型のパワーコンディショナが必要とされることもありました。
ただ、現在恒電社で選定しているHUAWEI製のパワーコンディショナは、どの向きにも対応が可能です。そのため、方位が揃っていないソーラーカーポートでも、安定した発電性能を確保できます。
━━━以前、屋根上の場合は太陽光パネルを水平に設置すると伺いましたが、 ソーラーカーポートの場合はどのように設置するのでしょうか?
ソーラーカーポートの場合は、基本的にパネルには傾斜をつけて設置します。
駐車レイアウトは、車を向かい合わせに停める場合や背中合わせに並べる場合など様々ですが、いずれの場合でも、パネルは同じ角度(一定方向)で傾いており、排水性や発電効率の確保にも考慮した設計になっています。
こちらの写真を見ていただくと想像しやすいかもしれませんね。

設置スペースの広さや方角といった条件に応じて、複数の設計パターンの中から「この敷地であれば、南向きにこう配置するのが最適だ」といった判断を、その都度検討しています。
敷地ごとに条件が異なるからこそ、一律の設計ではなく、現地の状況に合わせた“最適な組み合わせ”を導き出すことが重要だと考えています。
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