太陽光パネルを載せる前に、屋根の塗装は必要なのか?

A. 必ずしも必要ではありません設備投資に対する考え方と優先順位によって必要度合いが異なります。

要約

屋根の寿命と塗装の重要性
太陽光パネルの寿命は約20年である一方、一般的な金属製屋根の寿命は10~15年と短く、パネル設置前に屋根の状態を確認し、塗装の必要性を検討することが重要です。塗装を行わないとサビが進行し、雨漏りや屋根の強度低下につながる可能性があります。そのため、太陽光パネルを設置する前に塗装を行うことで、屋根の劣化を防ぎ、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。

塗装と太陽光パネル設置後の対応
太陽光パネル設置後に塗装を行う場合、パネルを一旦取り外す必要があり、追加の工事費用が発生します。ただし、パネルが設置されている部分は紫外線や雨から守られるため、劣化が緩やかになる場合があります。恒電社では「設置していない部分のみを塗装する」など柔軟な選択肢を提示し、お客様が費用や必要性を考慮して判断できるよう支援しています。

足場費用の最適化と合理的な提案
塗装と太陽光パネル設置を別々に行うと、それぞれの作業で足場を組む必要が生じ、2回分の足場費用が発生する可能性があります。恒電社では、両方の作業を一括して依頼することで足場費用を抑えられる提案を行っています。設備投資の優先順位や予算配分は企業によって異なりますが、合理的な選択肢として塗装と設置の一括施工を推奨しています。

解説者

蛎崎 泰祐
施工管理職

蛎崎 泰祐

新卒からSIerとしてIT業界を経験する。2018年に恒電社へ参画してからは事業部を横断して活躍し、エネルギーマネジメント事業部の立ち上げに貢献。現在は施工管理職としてシステム設計から、工程・安全・現場管理を一貫して担当している。徹底したリスク管理と持ち前の柔らかい人柄で、社内外を繋げ動かすハブとして活躍中。

インタビュアー

原澤陽
合同会社HARAFUJI

原澤陽

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

太陽光パネル設置前に、塗装は必要か?

━━━太陽光パネル設置前に、屋根の塗装は必要ですか?

屋根の状態によっては、設置前に塗装を検討いただいた方が良いケースもあります。

たとえば、一般的な金属製の屋根(折板屋根)であれば、新築から10〜15年ほどで塗装のメンテナンスが必要とされています。一方、太陽光パネルの寿命はおよそ20年と言われており、パネルより先に屋根のメンテナンス時期が来る可能性が高いです。

そのため恒電社では、設置前に屋根の状態を確認させていただいた上で、もしサビが見られたり、塗装表面にチョーキング(塗膜が劣化し、白い粉が手につく現象)といった劣化の兆候がある場合は、「今のうちに塗装をご検討されてはいかがでしょうか?」とご提案するようにしています。

━━━塗装するのとしないのでは、屋根にどのような影響がありますか?

前提として、ここでは金属製の屋根(折板屋根など)を想定してお話します。

金属屋根の場合、塗装をせずにそのまま使い続けると、徐々にサビが発生しやすくなります。サビは一度出始めると、雨や湿気によって進行しやすく、放置すると最終的には穴が開いたり、屋根材そのものの強度が落ちたりして、雨漏りの原因になることもあります。

また、強度が著しく低下すると、点検や工事の際に屋根の上で作業する人が踏み抜いてしまい、落下事故につながるリスクもあります。

こうした劣化や事故を防ぐためにも、塗装によってサビを抑えることが一般的なメンテナンス方法とされています。

━━━今のお話からすると、塗装した方が良いと思います。自家消費型太陽光発電の導入を進めていく中で、お客様からはどのタイミングで「塗装した方が良いですか?」と聞かれることが多いですか?

実は、「塗装はいつすればいいのか?」というよりも、「パネルを設置した後に塗装できるの?」とご質問をいただくことが多いです。

その際には、「太陽光パネルを一旦取り外して塗装することも可能です」とご案内しています。ただし、その場合は取り外し・再設置の費用が別途発生するため、事前に塗装を済ませておく方が効率的であることも多いです。

また、太陽光パネルが設置されている部分の屋根は、雨や紫外線に直接さらされにくくなるため、他の部分と比べて劣化の進行が緩やかになる傾向があります。

そのため、「塗装はパネルが載らない部分だけ行う」という対応をされるお客様もいらっしゃいます。状況に応じて、塗装範囲を限定することで費用を抑えることも可能です。

━━━パネルを外さずに塗装できる場所だけ作業するのですね。

はい、もちろんパネルを一度取り外せば、屋根全体の塗装も可能です。ただし、その場合は取り外し・再設置にかかる工事費用が別途発生することになります。

塗装費用がどのくらいになるかは屋根の状態や面積などによって変わりますが、「屋根塗装を将来的なトラブルを防ぐための保険」として捉えるかどうかは、お客様の考え方によっても分かれるところです。

恒電社では、お客様のご意向を踏まえながら、将来的にパネルを取り外して塗装するという選択肢や、太陽光パネルの下は紫外線や雨を受けにくいため劣化が進みにくい、という点を考慮したご提案など、いくつかの選択肢をご案内しています。

特にご説明しているのが、屋根の塗装と太陽光パネルの設置工事を別のタイミングで行う場合、それぞれの工事で足場を組む必要が出てくることです。そうなると、足場費用が二重に発生する可能性があります。

そのため、太陽光パネルの設置とあわせて屋根の塗装をご依頼いただくことで、足場を共用でき、結果として費用を抑えられる可能性があります。
こうした点も含めて、恒電社ではお客様のご状況に合わせたご提案を心がけています。

この記事を書いた人

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2025年に第二種電気工事士資格を取得。

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