【動画】省エネと節電は違う|企業が省エネに取り組む上で最初にすべきこととは?
更新日:2024年1月31日
高騰する電気代への対策として、常に話題に上がる「省エネ」と「節電」。
しばしば対になって取り上げられる二つのワードですが、それらの持つ意味は大きく異なります。
「節電は、一言で言えば我慢です。」
そう語るのは、電気・エネルギーの専門家として年間100 回以上の講演を行う株式会社エネリードの狩野晶彦氏。
この動画では「省エネ」と「節電」の違いから、企業が「省エネ」に取り組む際のステップ、そして効果的な戦略まで、考察していきます。
目次
省エネ活動の重要性と実践方法
「省エネ」と「節電」
「節電」とは単にエネルギー使用量を減らすこと、「省エネ」とはエネルギーをより効率的に使うことを意味します。
これは、短期的な使用量の削減ではなく、長期的な視点でのエネルギー使用量の最適化に焦点を当てているともいえます。
省エネの目的は、エネルギー使用量を減らしつつも、経済的かつ環境に優しい方法で電気を活用することです。
例えば、LED電球。
従来の白熱電球と比べて、LED電球は少ないエネルギーで同じ明るさを提供します。
白熱電球は使うエネルギーの大部分を熱として失いますが、LED電球はそれをほとんど失わず、エネルギーを光に変換します。
そのため、LED電球は少ないエネルギー(例:7ワット)で、白熱電球(例:60ワット)と同程度の明るさを提供します。
これが、高いエネルギー効率を持つLED電球が広く普及し、省エネ機器として推奨される主な理由の一つです。
企業と個人の省エネ活動
先述のとおり、省エネの目的はエネルギーをより効率的に使うことであり、その目的に対しての解決方法は企業であれ、個人であれ大差はありません。
省エネとして一番の解決策は、躯体(建物)の性能を上げることだと狩野氏は述べます。
建物自体の断熱性能向上(出入口や窓から熱・冷気が逃げにくい構造など)、または高効率の空調システムの導入などがその例です。
電気の「見える化」と「エネルギーマネジメント」
そして躯体の性能を上げた後の対策としては、デマンドコントローラー*や蓄電池を活用したエネルギーマネジメントにより、消費の最適化を図ることが挙げられます。
デマンドコントローラー
需要家の受電電力(使用電力)を常時監視し、管理することで目標デマンド値を上回らないように制御する装置。最大デマンドが大きくなることを抑制し、契約電力の減少を図るシステム電気代の基本料金を下げることができます。
「使う人にテクニックが要らないことが大前提」と語る狩野氏は、電気の見える化の必要性を強調します。
特に、近年の電力需要増加に対応する上では、電気の使用量管理とピークシフトが重要となります。
電気の使用量管理とは?
消費者が自身の電力消費を可視化し管理することは、電力システムの効率化に不可欠です。
その手段として代表的なのがスマートメーター。
エネルギー監理システム(EMS*)を通じて、実時間での電力消費データを提供し、消費者がいつ、どのくらいの電力を使っているかを把握することができます。
エネルギー監理システム(EMS)
住宅向けのHEMS(ヘムス)、商用ビル向けBEMS(ベムス)、工場向けのFEMS(フェムス)、地域全体向けのCEMS(セムス)など、管理対象によって呼び方が異なります。
スマートメーターの導入により、電気料金メニューの多様化や社会全体の省エネ化、更には電力供給における将来的な設備投資の抑制等が期待されています。
ピークシフト
「ピークシフト」とは、需要がピークに達する時間帯での電力消費を避けて、他の時間帯にシフトすることです。
夜間や早朝などの低需要時に電力を多く使うようにしたり、蓄電池システムを利用して、低需要時に充電し、高需要時に蓄電池から電力を供給したりすることで、ピーク需要の緩和が可能となります。
もはや贅沢品といっても過言ではない電気を効率的に使用することは、企業の存続に大きく関わります。
恒電社では、自家消費型太陽光発電システムの導入によって、既に効率的な電気の使用に成功されている企業の経営者やご担当者にインタビューを行っております。是非ご覧ください。
企業競争力と環境意識の向上
企業の競争力を高め、製造コストを低減する重要な要素となる「省エネ」。
短期的なコスト削減だけでなく、企業イメージの向上にも寄与することから、一時的対策ではなく、組織や個人の習慣として根付くことが必要です。
最適な省エネを実施するには、エネルギー消費の見える化と現状分析から始め、目標設定、実施計画の策定、継続的なモニタリングと改善が不可欠です。
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