法人向け|自家消費型太陽光発電と相性が良い企業の特徴は?

投稿日:2023年6月27日
更新日:2024年8月14日

脱炭素社会への対応だけでなく、電気代削減の手段としても注目を集める“自家消費型太陽光発電システム”。

自家消費型太陽光発電システムと相性が良い企業とそうでない企業が存在することも事実です。

本稿では、具体的に「どのような条件下の企業が自家消費型太陽光発電設備と相性が良いのか?」また、「仮に相性が良くない場合は、どのような対応策があるのか?」について恒電社の現場社員の声を元にご紹介します。

法人向け|太陽光発電と相性が良い企業の特徴

まず自家消費型太陽光発電システムと相性が良い企業の判断要素は以下の4つです。

  • 就業体制と電気の使用状況
  • 太陽光パネル設置スペースの有無
  • 屋根や建物の形状・状態
  • 環境への取り組み

一つづつ詳しく見ていきましょう。

01|就業体制と電気の使用状況

自家消費型太陽光発電システムと相性の良い企業は、昼間に電気を多く消費する企業です。

太陽光発電の性質上、昼間に発電がおこなわれるため、日中に発電したエネルギーを日中に直接消費できる企業が効率的にシステムを活用できます。

例えば、冷凍・冷蔵設備を持つ企業や工場、土日・祝日も営業している小売店舗や商業施設などは、定常的に電気使用量が高く、昼間に電気消費量がピークを達するという点から、自家消費型太陽光発電システムに適していると言えます。

また、工場の増設や生産ラインの拡大を行った企業や事業規模を直近で拡大した企業も電気使用量が増えるので、相性が良いでしょう。

また、電気使用量の多い会社は作り出される電気を無駄にせずに利用できるため、作った電気が余らないという点でも相性が良いといえます。

エネルギーマネジメント事業部 営業|板橋宏輔さん

今回は、エネルギーマネジメント事業部 営業担当である板橋さんにお客様にご提案をする際に意識していることを聞きました。

———自家消費型太陽光発電のご提案までに行うことは何ですか?

板橋:弊社のご提案は、お客様の電気設備を一つ一つ全くの別設備だと捉えて、必ず1から設計をするようにしております。

我々のアプローチとしては、まずは面積や荷重の観点で太陽光パネルをどの程度載せられるのかをベースに設計を行い、その後、お客様の24時間365日の30分ごとの電力消費量と発電シュミレーションと比較し設計していくことでお客様にとって最も価値を感じて頂けるシステム容量、設計を行いようにしています。

「30分デマンド値」
30分間に消費する電力の平均値。電力会社に請求することができ、恒電社では過去1年分のデータから分析を行う。

その際、なるべく発電ロスが発生しないように設計することが大切だと考えています。生まれた電気をどれだけの割合で、自家消費できるのか?生み出した電力をどの程度活用できるのか?に重きをおいていますね。

パネルを1枚減らしてみたり2枚減らしてみたりと、パネル一枚単位で細かく設計をして、生み出した電力を最大限に活用し、システム稼働率をなるべく高めて頂けるように心がけてご提案をしています。

当然、お客様の中には屋根に余裕があれば、できるだけ多くの太陽光パネルを設置したいというご要望をお持ちの方もいらっしゃいますし、他社からはそういったご提案をもらったというお客様もいらっしゃったりします。

しかし、弊社では載せられるだけ載せることが必ずしても「正」ではないと考えております。

太陽光パネルを大量に設置した場合、「稼働率」が低下し、余計な設備投資に繋がってしまい、投資回収までの時間が長くなる可能性もあります。そのため、私たちは設計段階でも、非常にこだわって設計をしております。

それでも、使った電気が余ってしまう場合には、余剰売電を兼ねた導入や、蓄電池や電気自動車と一緒に太陽光パネルを設置することでその課題を解決することもできます。

また日常的な電気使用量が少ない場合、電気削減の観点だけで判断をすると相性が良いとは言えません。ただ、自家消費型太陽光発電には、電気料金の削減だけでなく、再エネを活用した事業運営ができるというメリットもあります。

今、中小企業においてもカーボンニュートラルを実現することの重要性がますます高まっています。

したがって、企業が「脱炭素に取り組まない」選択をすることは好手と呼べませんので、太陽光発電には電気料金削減以外のメリットがあることもしっかりとご説明するようにしております。

02|太陽光パネル設置スペースの有無

自家消費型太陽光発電システムでは、建物の屋根の上、または敷地内に太陽光パネルを設置するのが一般的です。

そのため、屋根の上や敷地内に十分なスペースがあるかどうかも、導入の相性に大きく関わってきます。

広いスペースがあるほど、設置できるパネルの枚数、すなわち発電量が増えていき、システムの効果も最大限に引き出すことが可能です。

しかし、屋根や敷地のスペースに限られている場合でも、太陽光パネルを設置する方法は存在します。

例えば、駐車場を活用したソーラーカーポート

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株式会社昭和技研工業は、脱炭素の目的だけでなく、人材採用の観点からもメリットを見出し、いち早く導入を始めています。

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カーボンニュートラルは2020年、当時の菅総理が「2030年までに2013年比で温室効果ガスを46%の削減を目指す」と宣言したことがキッカケです。

正直この宣言を聞いて、色々と思うことがありました。ただ、結果として「何かやらなければ」との気持ちに至りました。

なぜなら、弊社のお客様はカーボンニュートラル達成に向けて非常に困っているからです。
先ほど話しましたように弊社のお客様である製鉄・プラスチック関係の企業は温室効果ガスの大口排出業者です。

そのため、いかにして温室効果ガスを出さないようにするか。我々サプライヤー側も一緒に何かしなければいけません。

その中で、まず始められるのが「太陽光パネルを増やすこと」でした。

また、工場立地法における「緑地以外の環境施設面積」に、太陽光発電システムを設置することも注目されています。

これは 、一定の基準以上の工場において、25%以上の環境施設面積のうち最大5%を太陽光発電システムによって転用できるというものです。

環境施設面積
工場立地法における「緑地面積」と「緑地以外の環境施設面積」を足した面積。
国の準則では、環境施設面積を25%以上確保することが定められている。

よって屋根や敷地スペースが制約されている場合でも、ソーラーカーポートや工場立地法を活用することができます。

03|屋根や建物の形状・状態

屋根に太陽光パネルを設置する際には、屋根の形状や状態だけでなく、建物自体の立地や耐荷重もまた、重要な要素となります。

理想的な設置条件は、南向きで適度な傾斜を持つ屋根です。この条件により、十分な日射量を得ることができます。

各屋根に合わせた適切な太陽光パネルの設置方法を採用することで、日射量を最大限に引き出すように設計を行うことが可能です。

さらに、設置方法だけではなく、建物自体の劣化太陽光パネルの重量に対する耐久性も重要です。

そのため、建物や屋根が新しい、または屋根を塗装して間もない状態では、比較的施工コストを低くすることが期待できます。

屋根と太陽光発電の相性についての詳細は、下記の記事でも解説しておりますのでご興味ございましたらご一読ください。

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04|環境への取り組み

最後に、環境への取り組みを重視する企業にとっても、自家消費型太陽光発電システムは有効的な手段となり得ます。

具体的には、環境への負荷を最小限にするように定めた「ISO14001」を取得している企業や、環境保全に取り組むために様々な取り組みを行っている下記のような企業での導入が進んでおります。

  • ISO14001(環境)を認証取得している企業
  • 都道府県のSDGsパートナー登録制度に登録している企業
  • ホームページ等でCO2排出量削減を宣言している企業
  • その他SDGsやRE Actionなど、環境保全の取り組みを掲げている企業

そして、サプライチェーン全体で脱炭素化を進める、大手企業のスコープ3に該当する企業は、環境への取り組みにおいては、自家消費型太陽光発電の導入といっても過言ではありません。

私たちはお客様のニーズや条件に合わせて、最適な太陽光発電システムのご提案を行っています。

経営企画室 室長|恒石陣太さん

弊社、経営企画室 室長の恒石陣汰さんはこう語っています。

自家消費型太陽光発電を導入してくださったお客様が「どのような思い」で太陽光を導入したのか、そしてそういった企業様が今まで環境に対して、「どのような取り組み」を行ってきたのかをお客様からヒアリングして、我々が外部に発信をするという取り組みをしています。

———自家消費型太陽光発電を導入してくれた方にインタビューした際に感じたことは何ですか?

どうしてお客様がそのような意思決定をしたのか、なぜその考え方に至ったのか可能な限り詳細に聞くように心掛けています。

自家消費型太陽光発電の導入においても、お客様が「電気代削減を目的に…」や「脱炭素に取り組みたくて…..」とおっしゃる背景には、さらに深い理由があることが分かります。

例えば、「直近では人材を増やさなければ企業が成り立たたない状況であるのにも関わらず、電気代が高騰している影響で、人件費をかけることができない」という事情があったり、「電気代の上昇分を自社の製品に価格転嫁できずに悩んでいる」、または「取引先に環境への取り組みを求められたが、何からして良いかわからず困っている」など、背景にはもどかしい事情が存在していたりします。

私たちは、なぜお客様が自家消費型太陽光発電を導入すると決定したのかについて、お客様の声を深堀りをお客様の想いや環境への取り組みを外部に発信していくことを非常に大事にしています。

まとめ

具体的に「どのような条件下の企業が自家消費型太陽光発電設備と相性が良いのか?」を4つの観点から解説しました。

  • 就業体制と電気の使用状況
  • 太陽光は寝る設置スペースの有無
  • 屋根や建物の形状・状態
  • 環境への取り組み

自社の電気使用状況や設置環境、社屋の状態、環境への取り組みなどを考慮し、自社が太陽光発電システムに適した企業であるかを検証・検討する際の一助となれば幸いです。


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動画制作者

岩見啓明
株式会社恒電社

岩見啓明

クリエイター。恒電社では動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告と幅広く施策を担当。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴も。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)を取得。

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