埼玉県の企業・法人向け太陽光発電導入事例集 | “脱炭素”に、どう向き合ってますか?
更新日:2024年6月14日
来るべき脱炭素社会に向け、企業・法人向けの自家消費型太陽光発電の導入が進んでいます。
今回、埼玉県にて自家消費型太陽光発電を導入した企業に下記2点を伺いました。
- なぜ導入したのか?
- 脱炭素にどう向き合っているのか?
「弊社も太陽光発電を導入した方がいいのだろうか?」「脱炭素に向けて何をしたらいいのだろう?」などなど、脱炭素社会に向けて悩まれている方々必見の内容です。
※本稿は「自家消費型太陽光発電の専門」である恒電社の導入事例インタビュー記事より、お客様の生の声を引用しています。
目次
埼玉県行田市 | 株式会社十万石ふくさや – 老舗和菓子メーカー
埼玉県行田市に本社を置く老舗和菓子メーカー「株式会社十万石ふくさや」様は、2024年3月に自社工場に自家消費型太陽光発電を導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
弊社だけでなく、食品製造メーカーでは、製造現場の環境改善が課題となっています。
弊社の場合、夏場の工場内は室温40度を超え、蒸す工程による高い湿度も相まって、従業員の熱中症リスクが高い環境でもあります。こういった環境は作業効率の低下にもつながってしまうため、対策が求められていました。
安心して働ける職場を実現するために、弊社ではまず屋根に散水装置を設置しました。一時的には効果があったものの、散水装置の老朽化により十分な冷却効果が得られなくなってきたのです。
そこで検討を始めたのが、太陽光パネルの設置でした。
当初は、発電による電気代の削減や脱炭素への取り組みがメインの目的だと考えていましたが、検討を進める中で、むしろ遮熱効果による製造環境の改善につながるのではと認識するようになったのです。
脱炭素に、どう向き合ってますか?
気候変動による原材料の調達難は、大きな課題となっています。
特に「十万石まんじゅう」に欠かせない高品質な小豆の確保が難しくなってきているのです。
創業以来、「素材と製法へのこだわり」を大切にしてきた弊社にとって、原材料の品質は譲れない条件です。しかし、国産小豆の収穫量は年々減少し、価格は上昇の一途をたどっています。
かといって、より安価な他国産の小豆に切り替えるわけにもいきません。いざ作ってみると一目瞭然。味や色合い、繊細さなど、品質面で国産小豆に及ばないことは明らかです。
この状況に対応するため、十万石ふくさやは産地や農家との長期的な関係構築に力を注いでいます。安定的な調達を実現するには、生産者との信頼関係が欠かせません。
しかし、こうした努力を続けても、原材料コストの上昇は避けられない状況です。正直、品質を守るためには、一定のコストアップは覚悟しなければなりません。
ここで問われるのは、「素材と製法へのこだわり」「美味しさの追求」という創業者の想いをどう守り続けていくかということ。時代の変化に合わせて、何を変え、何を変えずにいくのか。
先代から受け継いだブランド価値を守りつつ、次の世代にバトンをつなぐ責任。一方で、変化する経営環境の中で、時代に合わせて変化していく必要もある。伝統と進化のバランスをどう取っていくのか。
その判断は非常に難しく、経営者としての葛藤も深いものがあります。
※株式会社十万石ふくさやのインタビュー記事はこちら
埼玉県桶川市 | マルキユー株式会社 – 釣具メーカー
創業112年。
“つれるエサづくり一筋”。日本を代表する釣具メーカー マルキユー株式会社様は2022年11月、自家消費型太陽光発電を導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
新井氏:検討を始めた背景は、アルディージャビジネスクラブにおいて、岩崎食品工業さんが太陽光発電を導入されたと聞いたことでした。
その時は深く考えず「なるほど、そういう時代になりつつあるのか」と、ぼんやり捉えていましたね。
それから岩崎食品工業代表の神田さん、また御社の代表である恒石さんと話をしていく中で「この人たちは金儲けではなく、環境問題に対して前向き、かつ真剣に考えているな」と感じ、そうであればお願いしても問題ないなと思うようになりました。
最終的には当社の方から「マルキユーで太陽光パネルを導入するのはどうだろう?」と、恒石さんに相談したところ「一度見てみますね」と、御社の営業の方々が様々な調査をしてくれました。
脱炭素に、どう向き合ってますか?
栗田氏:発電して”余った”電気を有効活用できないか、検討しています。せっかく発電した電気を抑え込み、使えていないのはもったいない。
例えば、電気自動車への充電などを検討中です。せっかくのクリーンな電気だから、うまく融通して使わないといけないなと思います。
理想としては発電量と工場の稼働をリンクさせ、人を介さず、自動的に使用と不使用のスイッチングができればなと。
人で調整するのは難しいため、自動で動かせればいいなと思います。
※マルキユー株式会社のインタビュー記事はこちら
埼玉県蓮田市 | 株式会社岩崎食品工業 – 食品メーカー
1954年創業。埼玉の食品メーカー岩崎食品工業代表の神田氏は2020年10月より、太陽光発電による電気供給を開始。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
神田氏:理由は2つあります。
1つ目は、他の太陽光発電設置業者から*FIT制度を活用した提案を頂いたことです。
FIT(Feed-in Tariff)= 固定価格買取制度とは?
「「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度」資源エネルギー庁
弊社の立地は太陽光パネル設置に向いていることがこの時初めてわかりました。
FIT制度は太陽光パネルを設置し、発電した電気を売電するという制度です。ただ当時の弊社の方針として「自社で創った電気を売る」という考え方があまりピンときておりませんでした。
2つ目の理由は、恒電社さんからの提案内容が弊社のニーズと合っていたからです。
弊社が地域貢献をより強化していく中で、恒電社代表の恒石さんとの出会いがありました。その出会いをきっかけに太陽光発電のご提案頂く機会があったのですが、恒電社さんの提案は以前私が受けたFIT制度を活用した提案とは異なっておりました。
内容は、「生んだ電気は売るのではなく、まずは自家消費しましょう。そうすることで電気代削減ができます。それだけではなく、屋根にある太陽光パネルが遮熱効果になるので更なる電気代削減と、工場内で働く従業員の方の環境改善に繋がります」というものでした。
正直こんな美味しい話、やるしかないなと思いましたね。
自家消費型太陽光発電とは?
自家消費型太陽光発電システムとは、屋根や敷地内に太陽光発電システムを設置し、発電した電気を建物の中で使用する設備
【基礎】自家消費型太陽光発電とは?埼玉の導入事例から知る”リアル”なメリットを紹介
あとは、提案頂いたタイミングがよかったですね。ちょうど設備投資を考えていて電気周りについてどうしようか考えていたタイミングでした。
それに加えて行政からCO2削減による補助金も出るとの情報も貰ったので「よしやろう!」と決断にいたりました。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
神田氏:自社が世界を動かしているわけではないが、「小さな一歩がつながっていく」という意識が重要だと思います。
気候変動はあまりにも大きなテーマなので、弊社だけでは解決できません。 それでも、まずは自分で一歩進むことが大事です。
環境の話と逸れるかもしれませんが、私は”持続可能”という言葉は会社にとっても同じではないかと思っています。
昭和26年創業の岩崎食品を私が88歳の米寿の歳まで続けるとなると、100年目の会社になります。
100年企業を持続させるのは大変です。昔と違って、今は企業の寿命が短いですからね。
厳しい時代の中でも会社を持続させるために利益を出す。自分たちの足で生きれる状態にする。 そのためには、時に大きな設備投資に踏み切らないといけません。
もちろん多額のお金がかかります。でも、覚悟ができていれば怖くないです。
私にはいいものを作っている自信がある。きちんと自分の商売をしていれば、腹を決めて投資ができます。
私が定年になって次に引き継いだら終わり、ではありません。引き継がれた方にとってはその時がスタートです。 社員が不安なく働くために腹を決めて投資しなければ、会社を持続可能な状態にすることはできません。
※株式会社岩崎食品工業のインタビュー記事はこちら
埼玉県蓮田市 | 株式会社中央食品工業 – 食品メーカー
長年ロッテ社のチョコレート製造を手掛ける埼玉県の企業、株式会社中央食品工業様は、2024年1月に自社工場の屋根に自家消費型太陽光発電設備を導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?また、脱炭素に、どう向き合っていますか?
きっかけは、企業として「SDGs宣言」をしたことです。
その一環として製造時に発生する温室効果ガスの削減に取り組みたいという理由で、自家消費型太陽光発電の導入を検討し始めました。
そのような中、インターネットで検索している際に恒電社さんを見つけました。
会社同士が距離的に近かったこと、そして同じ蓮田市に拠点を構える岩崎食品工業さんが恒電社さんで自家消費型太陽光発電を導入したという記事を拝見して、恒電社さんなら安心できそうと思い、早速問い合わせをしましたね。
念の為、大手企業にも見積もりを依頼し比較検討しましたが、太陽光発電事業を長く行なっていることや、先ほど話した理由(会社同士の距離・身近な実績)で最終的に恒電社さんにお願いすることに決めました。
確か、初回の商談から2週間ほどで恒電社さんに発注したかと思います。今回の決定もスピーディーに行いましたね。
最初は、どの工場に太陽光パネルを設置するかで悩みましたが、営業の方から複数パターンのご提案をいただき、結果的に「第四工場(桜ヶ丘工場)」に設置することとなりました。
※株式会社中央食品工業のインタビュー記事はこちら
埼玉県久喜市 | 株式会社サン精密化工研究所 – 精密加工メーカー
埼玉で主に精密プラスチック機械部品の成形加工および販売を営む、株式会社サン精密化工研究所様。省エネと脱炭素を目的に、自家消費型太陽光発電を導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
大越氏:2007年、NEDOの補助によって導入しました。それから年数が立ち、SDGsの宣言をしたタイミングで乗せ換えようという話になりました。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
長野氏:実は既に、色々取り組んでいます。
ここ数年でお取引先の大手メーカー様がSBT、脱炭素の目標の中でサプライチェーンのCO2排出量を削減する目標を掲げられました。
SBTとは?
Science Based Targetsは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことです。
環境省
これに伴い、弊社だけでなくお付き合いのある企業の何社かを選び「支援施策やアイデアを出す、環境に関する取り組みを一緒にしませんか?」とお誘いを頂き、弊社も取り組んでいます。
新しく始めることは「サン精密化工研究所に相談したらやってくれる」という印象がお取引先にあり、ありがたいことにお声がけ頂いています。
弊社の中でプロジェクト化し、各部から1名選出して計7名、また責任者2名を任命。このチームで省エネ、脱炭素に関する改善活動をやり始め、徐々に進んでいます。
強制的ではなく「一緒にやりましょう」ということで、弊社としてもメリットがあるのでお断りすることなく取り組めています。
他のメーカーからも脱炭素やCO2削減といった環境への取り組みに関する声が増えてきています。
そのため、脱炭素や省エネ促進の方向に進んでいるなと実感がありますね。ここ半年から1年くらいで、スピード感が上がってきています。
ですのでこのままいくと、「環境への取り組みをしていないメーカーとの取引は出来ない」というようなことも発生するのではないかと感じています。
この建屋を建てたときに少量の太陽光パネルを乗せましたが、ちょうど増設したタイミングが良く、太陽光発電が消費電力に寄与出来ていますね。非常に助かっています。
※株式会社サン精密化工研究所のインタビュー記事はこちら
埼玉県北足立郡 | 株式会社昭和技研工業 – ジョイントメーカー
1966年創業のジョイントトップメーカー株式会社昭和技研工業様は、2011年に最初の太陽光発電システムを導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
岩井氏:2つあります。
1つは、カーボンニュートラル。そして2つ目が、人材採用です。
1つ目のカーボンニュートラルは2020年、当時の菅総理が「2030年までに2013年比で温室効果ガスを46%の削減を目指す」と宣言したことがキッカケです。
正直この宣言を聞いて、色々と思うことがありました。ただ、結果として「何かやらなければ」との気持ちに至りました。
なぜなら、弊社のお客様はカーボンニュートラル達成に向けて非常に困っているからです。
先ほど話しましたように弊社のお客様である製鉄・プラスチック関係の企業は温室効果ガスの大口排出業者です。
そのため、いかにして温室効果ガスを出さないようにするか。我々サプライヤー側も一緒に何かしなければいけません。
その中で、まず始められるのが「太陽光パネルを増やすこと」でした。
ただ屋根の面積には限度があるため、どのように導入しようか悩んでいました。ここで、もう一つの背景である”人材採用”がマッチしました。
私は常日頃「どうしたら優秀でやる気のある人に入社してもらえるか?」を考えています。その解決策の一つとして”出勤のしやすさ”がありました。
弊社は最寄駅から遠く、ほとんどの従業員が車で出勤しています。
実は工業団地で駐車をすると、車が汚れることが多々あります。塗料が飛ぶ、鳥のフンが落ちて車が汚れるなど、時折従業員からクレームが入ります。
「工業団地なので当然だ」と、以前は伝えていました。
とはいえ、車が汚れるのは誰しも嫌です。特に若者にとって車は高い買い物なので、汚れないよう大切にしている方もいます。そのため、カーポートの設置は以前から想定にありました。
ここで、2つの要素が合致。「カーポートの上に太陽光パネルを載せればいい!」と。
お客様が温室効果ガスの大口排出業者が多く、なんとかしなければいけない。そして、優秀でやる気のある人を採用するためにはカーポートがいる。この2つが繋がりました。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
岩井氏:弊社のお客様は温室効果ガス排出の大口事業者です。
脱炭素によってものづくりの仕組みがまるっきり変わるならば、もしかしたら我々の製品が不要になるかもしれません。非常に強い不安感があります、何かしなければなりません。
そこで弊社では最近、企画開発部門を新たに立ち上げました。ここで新たな製品の開発を始めるべく、動き出しています。
詳しくは話せませんが、弊社の製品の中に現在の使用用途とは別の用途で使える製品があります。この別用途にて新たな市場への参入を図り、事業として強くしていく意向です。
※株式会社昭和技研工業のインタビュー記事はこちら
埼玉県狭山市 | 東和興産株式会社 – 石油業界
1952年(昭和27年)から石油製品の販売を行ってきた東和興産株式会社様は、2022年12月自家消費型太陽光発電システムを導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
林氏:2年ぐらい前に仕事で山梨・長野方面に行くことが多かったのですが、特急列車の窓から見える大自然を見ながら「日本は山や自然が多いんだな」とホッコリしていました。
ですが、そこに突如現れるメガソーラーを見て不自然さを感じたことを記憶しています。
「今後は再生可能エネルギーを普及させていかなければいけないので仕方ないのかな」と思いながらもなんだか違和感を感じました。
なので、もし自社でやるならデッドスペースとなっている屋根上を使って太陽光発電を始めたいなとうっすらと考えていましたね。
その後、今年の4月に埼玉県に出てきて、近くの建物に太陽光パネルが載っているのを見て、脱炭素の流れもありましたし、自社で太陽光発電を導入したらどうだろうと本格的に思うようになりました。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
林氏:潤滑油については、次の一手と言いますか、何かしら同業他社がやってないことを考えてやっていきたいなと思っています。
具体的に考えているのが、潤滑油を潤滑油のままリサイクルすることです。
一般的に潤滑油をリサイクルする際は「再生重油」としてリサイクルされて燃料として使用されます。
我々はそうではなく、潤滑油を“潤滑油のまま”リサイクルできる方法をもっと普及させていきたいと考えています。
調べてみるとすでにやってる会社はありますが、そこまで注目をされているようには思えません。
もちろんですが、潤滑油が“潤滑油”としてリサイクルされるようになると、“新規”の潤滑油の販売数が落ちていきますから、あえて自分達の本業にダメージを与えるようなことを同業他社はしないと思います。
しかし、今回の太陽光発電システムの導入もそうですが、既存事業にとって利益相反する領域にあえてチャレンジすべきだと考えております。
歴史を見ても、破壊的イノベーションが起こる時には既存事業を守ってきた人から反発されることが常ですが、弊社においては変わっていくことに前向きなメンバーが多いです。
従業員の中でも、「これからは本業だけに頼っていてはいけない」という危機感があるのかもしれません。
また、再エネの普及に向けて引き続き貢献していきたいですが、我々がノウハウを持っているわけではないので、弊社のお客様で工場を持っている企業様には太陽光発電と恒電社さんをご紹介できればと思っています。
※東和興産株式会社のインタビュー記事はこちら
埼玉県上尾市 | グローバル・コーティング株式会社 – 製造・加工メーカー
1977年創業のグローバル・コーティング株式会社様は2013年、FIT制度を活用すべく太陽光発電を導入。そして今回、自家消費型太陽光発電を追加で導入しました。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
平山氏:「中小企業強化税制」は、太陽光発電システムも対象となると知ったためです。
徐々にFIT制度の売電効果が薄くなり、メリットを感じられなくなっていました。そのため、太陽光発電システムの追加導入については正直、消極的でした。
ところが「中小企業強化税制」の内容を調べてみればみるほど、太陽光発電システムの追加導入が弊社にとって有利なことがわかったんです。 また、太陽光発電システムでどれだけ発電できるかは既設のシステムで実績があるので計算もしやすい。
FIT制度と異なる*自家消費型太陽光発電についての知見はなかったのですが、色々調べていくと「どうやら自家消費型太陽光発電はSDGsの活動として公表できるのでは?」と気づきました。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
平山氏:追加の太陽光発電システムを導入したばかりなので、まだ具体的に何をしようとは決まってません。最近ようやくSDGsパートナーに登録したので、まずはそこで宣言した内容に取り組んでいきたいです。
※グローバル・コーティング株式会社のインタビュー記事はこちら
埼玉県桶川市 | 株式会社田坂精密 – 精密メーカー
世界的に大きなシェアを占める有名ラジコンメーカーの部品製造も行なっている埼玉の老舗企業、株式会社田坂精密様は、2023年5月に自社工場の屋根に自家消費型太陽光発電設備を導入しました。
「環境に優しく、そしてウイルスに負けない企業を創る」と語るのは、株式会社田坂精密 取締役 田坂めぐみ様。
なぜ、自家消費型太陽光発電を導入しましたか?
田坂氏:ものづくりに携わる日本企業として“環境”に対して取り組みを行いたい、また、災害時の停電対策としても太陽光発電を活用したいという思いがあり、10年ほど前から検討はしていました。
メーカー様からの共感の声もあり、日本の“ものづくり”企業として、省エネだけでなく、自分達で電気を創る「創エネ」にも取り組みたいという思いで具体的に検討を始めました。
その後、電気料金が高騰したことで結果的に電気料金削減効果も享受できていますが、最初に自家消費型太陽光発電設備の導入を決めた理由としては、「太陽光パネルの遮熱効果(省エネ効果)に期待したこと」「製造業として環境に優しい電気を活用(創エネ)し、製品を製造したかったこと」が挙げられます。
あとは「停電になった際に、従業員やその家族が必要最低限の生活できるインフラを整えたかったこと」も理由として挙げられます。
弊社社員で歩いて帰ることができない方もいるため、災害が発生した場合でも必要な電力を供給できる環境を整えること、最低限の電力を確保する必要がありましたので。
脱炭素に、どう向き合っていますか?
田坂氏:まず、企業の目標としてSDGsに取り組んでいくことを掲げています。
その取り組みの一貫として、2年前に“外壁”と“屋根”に遮熱効果の高い塗料を塗りました。遮熱効果のある塗料を塗ることで、夏場の空調設備の稼働を抑えることができるので、省エネに繋がります。
その際には、我々の省エネに向けた取り組みを知ってくださった取引先メーカー様から共感の声を頂くことがありました。
今、世界では脱炭素化が求められております。世界で活躍するメーカー様にとっては、サプライチェーンの一環である我々のような企業のSDGsへの取り組みが、メーカー様自体の競争力を高める上でも重要になってきているからだと思います。
現時点で、取引先各社から具体的に「二酸化炭素の排出に向けた対策を必ず行ってください」という依頼はありませんが、今後そのような動きも出てくると思っています。
まとめ
既に自家消費型太陽光発電の導入によるメリットを享受している企業、これからの企業、脱炭素への意識はある企業、これから取り組む企業…など、企業毎に状況は異なります。
ただ、共通しているのは「少しでもいいからやってみる」と、来るべき脱炭素社会に向けて何かしらのアクションを既にとっていることです。
少しでも「弊社も、太陽光発電を導入した方がよいのだろうか?」と迷われている方は、ぜひ、下記よりお問い合わせくださいませ。
この記事を書いた人