【2024年1月 電気代値上げ】電力大手5社が発表|更なる値上げが予測される理由とは
更新日:2024年2月16日
目次
2024年1月、東京電力など大手5社で「電気代値上げ」
2023年11月29日、電力大手10社が2024年1月の電気料金を発表しました。
値上がりする見通しなのは、東京・北海道・中部・九州・沖縄電力の5社。
7月に発表された四半期決算では、10社中8社が過去最高益(黒字)を記録していた中での今回の発表には、疑問の声が挙がっています。
恒電社ではこれまで、複数回に渡って電気代の内訳や仕組みを解説してきました。
電気代の変動について、今後の動向を把握するためにも是非ご一読頂ければ幸いです。
値上げの理由は燃料価格の高騰
私たちが支払っている電気代は「基本料金」「電気量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」の4つの要素から成り立っています。
その中でも、今回の値上げと関係が深いのが「燃料費調整額」。
2022年から続くロシアのウクライナ侵攻や、止まらない円安など複合的な理由が重なり、LNG(液化天然ガス)、石炭、石油等の価格が世界的に上昇し、価格高騰を招いています。
こちらの記事では、法人向けの電気料金がどのように決まるのか、解説しております。
さらに、より詳細に解説している動画もございますので、是非ご覧ください。
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北陸・中国電力は値下げ
今回値上げを発表した5社に対して、北陸・中国電力は値下げの予定を打ち出しています。
その理由を理解するためのキーワードが「石炭火力」です。
石炭の輸入価格は直近で下落しています。そのため、石炭火力による発電が比較的多い2社は燃料費調整がマイナスに働きました。
結果的に、前月を下回る料金が発表されましたが、これも手放しで喜べません。
現在、ドバイのエキスポシティで開催されているCOP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)。
今回から始まるグローバル・ストックテイク(GST)は批准各国に対し、2年ごとに温室効果ガス削減目標の達成状況の報告、5年ごとにその評価を受けさせる制度です。
火力発電の中でも、温室効果ガスの排出量が多く、環境負荷の高い燃料の代表格である石炭を用いての発電を続けることは、脱炭素・カーボンニュートラルを進める世界的な潮流と逆行しているとも言えます。
火力発電からの脱却を図ることは、気候変動に対するアクションとしてはもちろん、経済活動を行う上でも大きな影響をもたらします。
例えば、製造業において「スコープ」という概念は、企業の脱炭素化が必至である理由を理解する上で、非常に分かりやすい考え方です。
カーボンプライシング(炭素価格付け)などの経済政策も現実味を帯びてきた昨今。
世界各国の中央銀行や金融規制当局は既に「化石資源が不良債権化する」リスクの独自調査を始めているだけでなく、大手金融機関や投資家による融資・投資先選択の新たな基準として、脱炭素化への取り組みが挙げられます。
電力会社・大手企業・特約代理店等に向けて年間100 回以上の講演を行う、狩野晶彦氏(株式会社エネリード)は「今、温室効果ガスを減らす努力をする必要がある」と語ります。
その真意を是非、動画でご覧ください。
原子力発電の再稼働で電気代は下がるのか
温室効果ガスを減らすために不可避である火力発電依存の脱却。
もちろん再生可能エネルギーの普及拡大は必須ですが、原子力発電の再稼働もまた、常に論題に上がります。
安全性の確保と周辺住民の理解を大前提としたうえで、原子力発電の再稼働で電気代は下がるのか考察していきます。
2022年初頭、燃料費高騰の影響により大手電力会社が値上げ申請を行う中、電源構成比36%(当時)の原子力発電を稼働させていた九州電力は「値上げしない」と発表しました。
この件についても詳しく解説していますので、是非記事をお読みください。
激変緩和対策はいつまで?
政府は、2023年1月から、電気代・ガス代の負担軽減策として「激変緩和対策事業」を行っており、これらは2024年4月までの実施が予定されています。
激変緩和対策は、国が電力会社・都市ガス会社に補助金を交付し、需要家への電気代を値引きさせる仕組みです。
そのため、仮にこれが予定通り来年4月に終了した場合、値引き分が再度上振れる可能性は高いといえます。
恒電社では、先んじて自家消費型太陽光発電システムを導入し、大きな効果を出されている企業の事例もご紹介しています。是非、ご覧いただければ幸いです。
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